「台風で外の様子を見に行く」の理由と心理。なぜ見に行ってしまうのか?

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2019年は台風の被害がとても多い年となりました。

被害にあわれた地域も多く、復旧に向けて尽力を続けている状況です。

そして、負傷された方や、残念なことに亡くなられてしまった方も多く出てしまったこの災害で、少しでもこれから被害を減らすために原因を追及し、減らすことができる被害は無くしていく必要があります。

その一端として、毎年報じられている台風の最中に「外の様子を見に行く」ことの危険性と見に行ってしまう心理状態を調査し、結果をもとにこれからに活かしていきましょう。

「外の様子を見に行く」ことによる死亡事故

台風による死亡原因としては、「水害」・「土砂災害」が主に挙げられます。

2019年度の詳細な台風被害情報は以下を参照ください。

2019年度 台風一覧 被害と対応状況を総まとめ【台風20号/21号情報】
2019年もたくさんの台風が発生し、多くの場所で被害を発生させました。 大きな被害を及ぼす台風は毎年起こるものなので一度振り返って来年からの対策に活かしていきましょう。 ちなみに、今年は令和元年ということもあり、5月1日以降に発生した台...

そのほとんどが逃げ遅れた方が自宅や自宅近くで被害にあわれることが多いですが、その他に「田んぼ」「畑」「川」「山の中」でも発生しています。

被害にあわれた方のほとんどが家族や近隣の人に以下のように言い残しています。

  • 田んぼ(畑)の様子を見に行ってくる。
  • 川の様子を見に行ってくる。
  • 山の様子を見に行ってくる。
  • 船が流されていないか見に行ってくる。
  • 外の様子を見に行ってくる

2019年10月6日発生し、後に特定非常災害にも認定された台風19号では、豪雨発生前からその危険性が報道されており、注意喚起がなされていましたが、以下のような被害が発生しています。

  • 茨城県常陸大宮市で、「沢の様子を見に行く」と家族に告げて外出し行方不明
  • 宮城県登米市で、「家の外の様子を見に行く」と家族に告げて外出し遺体で発見
  • 静岡県牧之原市で、田んぼに転落した車の中から、70代男性の遺体を発見
  • 福島県二本松市で、山が崩れる音がした後「裏山の様子を見に行く」と告げた2名が行方不明

このような被害は今回に限らず、過去の台風事故でも繰り返されています。

なぜ、危険とわかっていても外の様子を見に行ってしまうのか?

被害発生前から危険とわかっていても、田んぼや川などに近づいてしまうのには、二つの理由に分けられます。

生活の収入源を守るため様子を見に行く
外の被害状況を確認するために様子を見に行く

「生活の収入源を守るため」見に行く理由

農家の方であれば、田んぼや畑は自身の生活を支える収入源であるため、台風による水害をできるだけ抑えたいと思うのは当然の心理でしょう。

下手をすると一年間の苦労してお世話してきたものが、収穫前にまさに水の泡となることもあるのですから。

よく「田んぼの様子を見に行った方が被害にあった」と報道されますが、遊び半分で様子を見に行くわけではありません。

降水量に応じて入水口と排水口をコントロールし、田んぼの水位を調整することで作物への影響を抑制する必要があるのです。

その際に予想以上の水勢で氾濫に巻き込まれてしまう被害が後を絶えないのです。

また、これらを怠ったことにより「周囲の田畑へ氾濫し、被害を広げてしまったら・・・」という周りへ迷惑を掛けてしまうかもしれないという心理もあるようです。

「被害状況を確認するため」見に行く理由

自宅周囲の被害状況を確認しにいくのもわかりやすい理由ではないでしょうか。

  • もう自宅から逃げるべきか判断するため自宅近くの川の様子を見に行く。
  • 土砂崩れが起きないか自宅近くの山を見に行く。

ほとんどの理由が現状を確認し、逃げるか否かを判断するためです。

地域の避難勧告やニュースから周囲の状況を少なからず把握していたとしても、自分の目で見ないことにはなかなか信じられないのが人間の心理です。

また、避難所にいいイメージがないために、本当にぎりぎりまでは自宅にいたいというのも理由の一因でしょう。

他の避難されてきた方と共同のスペースとなりますので、自室のようにリラックスすることができなくなるため、できるだけは自宅に残ってしまう方が多いのではないでしょうか。

「見に行っても平気」と思う心理現象

いくら理由があっても命の危険があるとわかっていれば、さすがに見に行ったりはしないはずですよね。

しかし、危険とわかっていてもこのような行動を取ってしまうのには理由があります。
人間には「正常性バイアス」という物事を正常側(日常の状態)へ寄せて考えてしまう心理があるのです。

ポイント

正常性バイアス

被害が予想される状況であっても、正常な日常生活の延長上として捉えてしまい、都合の悪い情報を無視したり過小評価する心理現象

人間はある程度の環境の変化に耐えうるように「鈍感」になっています。

全ての影響に過剰に反応してしまうと「心が疲弊」し、容易にパニックに陥り命を落としかねないからです。

この心理現象により、災害の起きている状況でも冷静に対応できる反面、状況をマイルドに考えてしまいます。

  • ニュースでは危険と報道されているけど、自分の地域はまだ平気だろう
  • 外に出ても、多少ぬれるだろうけど命を落とすほどではないだろう
  • 今までも避難勧告は出たことがあるけど無事だったから、今回も平気だろう

災害が起きたときの心構え

災害が起きたとき、「正常性バイアス」により人は被害状況をマイルドに考えがちです。

生活の収入源である田畑が心配で見に行ってしまう気持ちも良くわかります。「危険だから絶対に行くな」というのは簡単ですが、もしできることがあったのに一年間の収入を無に帰すのも影響が大きいと思います。

避難所に行くよりも自宅にいたい気持ちも良くわかります。自宅の方がリラックスできますし、命の危険が及ぶぎりぎりまで自宅にいたいですよね。

なので、災害が起きたときに、どうしても外の様子を見に行く必要ができた場合、一度立ち止まってください。

最善は外の様子は見に行かないことで、ニュースや地方自治体の放送を聞いて早めに避難所へ移動することだと認識し、それでなお外の様子を見に行く必要がある場合は、必ず下記を思い返して下さい。

「自分は今正常性バイアスで事態を軽く見ている。」

そう認識して再度見に行っても安全か考えましょう。
見に行く場合も「実は危ないかもしれない」と考えて、引き返す側に重きをおいて、想定外があったら即時に引き返す勇気を持ちましょう。

  • 自分だけは安全ということは決してありません。
  • 前の年が大丈夫だったから今年も大丈夫なんてことはありません。

毎年、同じような状況で亡くなられている方がいる事を認識し、自分も半歩差で同じように亡くなってしまうことを認識することが身を守る上でとても大切になってきます。

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